pfm cake and sweets and coffee
NOTE
2022/3/13

表現者として、考え思うこと

こんにちは、KAzです。気温もぐっと上がり春めいてきましたね。
このまま暖かな毎日が続くことを願い、平和な日々を大切にしていきたいですね。

2月の中旬になりますが、toricafeさんで“STRAWBERRY FIELDS FOREVER”というイベントが開催され、料理人として久しぶりにイベントに参加しました。

PFMのいちご商品でお世話になっている美岳小屋さんの「きぼうのいちご」をテーマに、生産者の林さんにお話をう伺いながら、生産者、表現者(シェフやアーティスト)、お客さんが1つのテーブルを囲むという、カルチャーミックスのイベントです。

イベントに参加してくれたサークルズスタッフのもんじゃさんが参加者としてのレポートをアップしてくれているので是非一読下さい(^ ^)

私は表現者としての目線で今回参加して考えたり、思ったりしたことをお伝えしたいと思います。

一皿の先にあるストーリーと繋がりを求めて

イベントでは、「きぼうのいちご」を使ったデザートメニューを一皿担当させていただきました。

その内容を考える中で一番大切にしようと思ったことは、一皿の中にストーリーと繋がりを表現する事でした。イベントの主催者である toricafeのオーナーから「カズちゃんが作る一皿について語れる様に仕上げてね!」とお声かけがあったのも大きかったと思います。

PFMの素材と「きぼうのいちご」をどう組み合わせようか、それとtoricafeさんという場所をどう繋げようかとメニューを考えるのは深く悩みましたがとても楽しく貴重な経験をさせて頂きました。

PFMのKAzが仕上げる一皿なのでやはりPFMカンパーニュは外せない。また、カンパーニュが持つ語源の意味も今回のイベントにぴったりだなと思ったので主軸が決まりました。

そして、皿盛りのデザートと言うことでtoricafeスタッフさんにサポート頂きながらジェラート作りにも挑戦。皿盛りのデザートは事前仕込みはあるものの、お客様に提供する瞬間が勝負でいつもとは違う緊張感がありました。

今回仕上げた一皿には、何故そうしたのかという理由が全てに詰まっています。ストーリーと繋がりを求めて生みだしたこの一皿には、伝えたいこと、食べて欲しい気持ちが溢れています。

会場でも皆様の前で説明しましたが、今回の一皿をさらに詳しく記してみます。

~ Pine de campaqne savarin ~

●何故カンパーニュサバランなのか

カンパーニュの語源はラテン語のカンパニオからきており、パンを分け合う(分けあって食事をする)という意味があります。お皿の上のカンパーニュの母体は元々は顔よりも大きなパンで、そのパンをスライスし、みんなで分けて食します。みんなで同じメニューを食べる今回のイベントぴったりです。生きていく上で必要不可欠な「食」の原点は愛しい仲間と分け合い美味しいその時間を共に楽しめることだと思うのでカンパーニュをベースにサバランを仕上げました。

●サバランという発酵菓子

美岳小屋さんが関谷酒造さんと作られた日本酒をデザートに組み合わせたいと思ったのでお酒を効かせた発酵菓子のサバランで仕上げました。

●アクセントにホーリーバジルのソルベ

昨年の2月よりtoricafe岡田シェフが主催されている「はたけ会議」に参加する様になりそこで出会ったのがホーリーバジルでした。馴染みがあったのはシンプルなバジルだけだったので、清涼感ある中にも甘さがある香りに私は畑で癒されていました。いちごとホーリーバジルの組み合わせを楽しんで下さい。

●食感を楽しむ米糠のグラノラ

農家「とるたべる」の杉山さんが無農薬栽培で育てられたお米を精米した際にでた米糠を使用してグラノラを作りました。香ばしく焼いた米糠には香ばしさと優しい甘さがあります。

●その他のディティール

  • ベーシックなサバランはブリオッシュというバターや卵が入るリッチなパンを使用することが多いですが今回は、小麦粉、酵母、水、塩のみのシンプルなPFMカンパーニュをベースにしたので乳脂肪分が高いソルベと組み合わせました。
  • シロップは2種類。きぼうのいちごソルベ×ブランデーの組み合わせとホーリーバジルソルべ×きぼうのいちご日本酒の組み合わせになっています。
  • 今回はドリンクとのペアリングも楽しんで頂けるデザートとなっています。エチオピア産の「ゲイシャ」という深入りの珈琲豆を使用し、洋酒を効かせたデザートと組み合わせてアイリッシュコーヒーとしても召し上がって頂ける様に淹れて頂きました。

参加させて頂いた中で一番大きく心に残ったことは、顔の見える生産者さんの素材を使用して作るお菓子やパンは自分だけの作品でなくなると感じられたことです。生産者さんの思いを知り、料理として表現し伝えるわたしの役目は点と点を結ぶ線だったりパイプだなとも思いました。

表現としての料理も自分ひとりでは成立しません。これからも表現者であり続けたいと思う身としてとても貴重な経験だったと思います。これから生み出していくものにこの経験を活かしていきたいです。

今回作ったものも、携わって頂いた方々の思いが沢山詰まった、私にとっては我が子のように愛しい一皿でした。お皿の先にある風景も味わい、想像して楽しんで頂けたのなら嬉しいです。

今後は、PFMでも食に携わる面白い企画を考えていきたいなと思っていますので楽しみにしていて下さいね♪

KAz

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