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2020/10/5

【あおいの絵日記】おいしいってなんだろう

みなさんこんにちは!あおいです。

最近、秋の訪れを感じるひんやりした気持ちいい空気を感じることが増えてきました。うーんと背伸びをして体いっぱいに大きく吸い込むだけでなんだかうれしくなって、いま生かされている喜びをしみじみ感じる今日この頃です。

私はおいしい匂いとあったかい空気に引き寄せられここPFMにやってきて、早1年と4か月が経ちました。試行錯誤を繰り返しながらではありますがパンを焼くことも少しずつ覚え、週に1回行かせて頂いている花市場の方々にも顔を覚えてもらって気さくに話しかけて頂けるようになり、とても嬉しく、ありがたく思っています。

また、わざわざ来なければたどり着かないこの場所に、日々沢山の方が訪れてくれることに感謝の気持ちでいっぱいです。

今回は、そんな毎日の中で考えていることを、今自分の中の1つの節目として書きたいと思いました。それは、日々食べるものに携わり沢山の方に出会わせて頂く中で、ふと浮かんだ素朴な疑問です。

”おいしいってなんだろう?”

私は根っからの食いしん坊という事に加え、沢山の情報が飛び交い、ひと言ですてき!と言い切れなくなった今の食とその周辺に関して10代の頃から歯がゆさを感じていました。

知れば知るほど、“おいしい”とはただ口に入れて感じるだけのものではなく、私の口に入るまでに誰もつらい思いをしていないこと(農家さんが農薬の被害を受けていないことや、動物の命が粗末に扱われていないことなど)や、単純に身体にとって良いか悪いか(たとえば白砂糖は身体を冷やす)など、単なる感覚ではなく、頭で考えることが”おいしい”を形作っていくように感じていました。

ですが今、普段見えていない部分を大切にしたい思いは変わらず残りつつも、実際に”食”の現場に入り食材に触れ、作り、沢山の人に出会わせて頂く中で「ああそれだけじゃないんだ」というのが、頭で考えるのではなく実感として、私の中に湧いてきています。

まず最初に気づいたのが、おいしいは本当に人それぞれだということ。また、その人の好みだけでなく、なにをおいしい!と感じるかはその時その瞬間のその人の身体の状態や気持ち、その場の環境や気温までも重なり、同じ人でも日々変わっていくということ。

なんとなく今日は甘いものが食べたいなーとか、あったかいものがのみたいなーとか、その”なんとなく”って”今の自分を知るうえでとっても大切なことなんだ!と気づきました。

これがいいんだ、これがおいしいんだ、と決めることができないとても頼りなく、それでいて豊かなものなのだなあと思います、おいしいって。

だから例えば誰かのことを知りたいなと思う時、今その人が何を美味しいと感じるのか聞くことも、とっても面白いな、楽しいなと思います。

そしてそんな曖昧な”おいしい”ですが、ただ1つ、それにポッと形をもたせるもの、作るなかでも食べる上でも、ああこれがやっぱりおいしいなのかもなあと思うもの、それは目には見えませんが、確実に食べるものの中にあり、人のエネルギーになるもの。

私が思うそれは、“ひとのこころ”です。

食材を作ってくれた農家さんやそれを調理した人だけでなく、それを運んでくれた人、売る人、はたまたその食べ物を包む包装紙を作ってくれた人まで、そのたべのものに関わる全てのひとのこころが、栄養成分表にはのらないエネルギーになって、人を幸せにする”おいしい”になっていると思います。

そんなとっても大切な素敵なことに気づかせてくれたこの場所で、感謝の気持ち忘れずに、今日も食べ物に人に向き合っていきたいです。

明日もここ松原であなただけのおいしいをご用意してお待ちしております。

あ~おなか空いてきた!
あおいでした!

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